オカダくんのユメニアイニ

V6オタク(岡田くん推し)のきいちゃんのブログ

Growing Reed #2021/04/11

盆栽研究科の川崎仁美さん

生きた骨董品、盆栽のルーツはどこにありますか?

現代の盆栽の美学に迫ります。

 

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こんばんは。岡田准一です。今週も始まりました、Growing Reed

この番組では毎週一つのテーマの専門家をお呼びして徹底的に質問。番組の終わりには考える葦として、僕も皆さんと一緒に成長したいと思います。

さて、今夜のゲストは盆栽研究科の川崎仁美さんです。

川崎さんは1980年生まれ。高校三年生から盆栽雑誌のナビゲーターを務めたのち、2002年より現代盆栽を主宰。盆栽の世界を極めるために園芸留学として海外に渡り、その技術、思想を学ばれています。

平安時代から今に至るまで、日本人は盆栽にどんな世界を描き、どんな価値を生み出してきたんでしょうか。

今日は盆栽の細部に宿る日本の美学を学びたいと思います。

J-WAVE Growing Reed 新しい一週間、最初の60分。ぜひお付き合いください。

 

 

IN A TREE / PRISCILLA AHN

 

 

川崎さんはじめまして。

 

はじめまして。

 

よろしくおねがいしま~す。

 

よろしくお願いいたします~。

 

今川崎さんは・・・京都に?

 

はい、京都です。

 

どちらのほうですか?京都の?

 

左京区の山のほうにおります。

 

へ~・・・。なんと自分のウチだということで。

 

はい、そうですね。

 

(笑)

はは(笑)すいません。

 

((笑))

 

なんか、素敵なあれですね。後ろもやっぱり盆栽と絡んでるっていうか・・・

 

そうですね。はい。

 

ねぇ。日本の伝統的なものも、なんか後ろにちらっとみえたりとか、いろいろしますけど。

 

あ~そうですね。盆栽に関する書籍とあとは紫石っていう石ですね。あの~

 

へ~。

 

川から拾ってくる天然石を山並みに見立てた木とか、なんかそういう石の文化があるんですけど

 

へ~

 

盆栽とは兄弟のような関係性なので。

 

そんな川崎さんは、まぁ、現代盆栽を主宰する、盆栽研究科ということで。これ何、どういうあれですか?

 

はい。そうですね~。盆栽の研究、主には歴史研究をしてるんですけど・・・

 

ふ~ん

 

まああとは国内外の盆栽の現状のリサーチですね。

 

へー!

そもそも急に始めたんですか?家柄ですか?盆栽は近くにあったんですか?ちょっとすいません。質問が(笑)質問がめちゃくちゃ多かったですけど(笑)

 

(笑)いえいえ!

 

どういう経緯で盆栽に?僕同じ年じゃないですか。

 

はい。

 

僕も盆栽めちゃくちゃ興味あるんですけど・・・

 

はい。

 

なかなか手を出せずにいて。

 

う~ん。

 

どういう経緯で盆栽に?

 

まぁ、母はもう趣味ガーデニングっていうところなんで(笑)

 

なるほど。

 

全然、はい。あの~、突然変異で始めたようなもんなんですけど。

もう、高校はいる前に自分が盆栽・・・あっ、日本文化が好きで、で、向いているっていうことがわかっていて。

 

なるほど。

 

あの~、日本舞踊をしたり。

 

はい。

 

神社仏閣行ったりっていうことをいろいろやってたんで・・・

 

もともと好きだったんですね。

 

もともと、はい、好きやったんですよ。

 

はいはいはい。

 

同世代やから、同い年やからわかると思いますけど、コギャル世代なんですよね。

 

(笑)

もろ、コギャルですよ(笑)ねぇ。

 

でしょ~?なんで、なかなかちょっとね、話があったり、友人としなかったんもんで・・・。

 

なるほど!

 

一人で!はい。

 

じゃあ、高校の時からそれをしてたと。

 

そうですね~。能みにいったり、している中で偶然・・・

 

珍しかったんじゃないですか?

 

浮いてましたね~。

 

(笑)めちゃめちゃ(笑)確かに(笑)

そうっすよね。高校時代から好きだとそんなにいないですよね。たぶんね。

 

そうなんですよ~。

 

ふ~ん、それからずっとご自身で研究したりして・・・、仕事にするって、でも勇気いらなかったですか?

 

いりましたよ~。まぁ盆栽の業界に入ったきっかけっていうのが、まあ、通学のバスのなあで偶然、盆栽展のポスターをみて、盆栽も日本文化なのに見たことがないのは恥ずかしいと思って、学校帰りに盆栽展に入ったっていうのが一番最初のきっかけで。

 

へ~。

 

で、そこで生まれて初めて樹齢300年の盆栽

 

はい

 

みるんですけど~・・・

 

ふんふん

 

見た瞬間に、直感であっ、これや~!ってなってしまって。

 

へ~。どういうところに惹かれたんですか?

 

見方も価値も何もわからなかったんですけど依り代やと思ったんですよね。

(笑)

 

依り代ね・・・

 

いや(笑)はい(笑)

それまでねぇ、樹齢300年の木って神社のご神木とかの大木しか見たことがなかったんですよね。

 

うんうん。

 

で、そのご神木が一鉢に収まっているっていうのが、どういうことだろうと思って。

まぁ、動けなくなったんですよ。びっくりして。

 

なるほど~。はいはい。

 

で、自分からその時感じたことがもうちょっとこの技術は、自分が知りたい日本文化がちょっと集約されているかもしれないとか、なんか、いろんなちょっと可能性を感じて・・・

 

(適宜相槌)

 

自分にとってはその、錬金術のようにも思えたので・・・。

 

なるほどな~・・・。

 

盆栽を知ったら自分の知りたい日本文化がわかるかもしれない!と思って、

 

はい。

 

で、その盆栽を初めて見て、感激で動けなくなってるところに、盆栽雑誌の編集長さんが声を掛けてくださって・・・、何十年も盆栽やってるけれども、女子高生が一人で入ってきたのは初めてやってことで・・・(笑)

 

(笑)

 

制服やったんで!

 

へ~!

 

で、何を考えて入ってきたんだって言われたので、その時思っていたことをお話したら、面白いことを考えているから盆栽雑誌のモデルにならへんかっていう風に・・・

 

へ~なるほど~。

 

すぐにスカウトしてくださって・・・で、あっ、教えてくださるならやりますっていうことで・・・、盆栽の業界に入ったんですよね。

 

なるほど~、運命だったんですね。

 

後から考えると・・・はい!そうでしたね。その時は偶然やと思ってたんですけど。

 

日本文化で盆栽と、こう・・・どういう風に見ていけばいいんですか?

 

あ~、いろんな日本文化がある中で~・・・

 

もともと入ってきたのは平安時代だって言われてるじゃないですか。

 

はい。

 

その~、日本に中国の・・・なんていうんだっけ、盆景っていう

 

 盆景、はい。

 

っていうものが、あの・・・、日本に入ってきたのが平安時代だったと、言われてるじゃないですか。で、なんかこう、仏教時代の、宗教時代が国家の安定から人間のこう・・・、内面追及みたいな世界になっていた時に、こう、そういう、なんだろうな・・・修業の場とかを山とかに移して歩くようになってみたいなそういう時代に盆栽みたいなのができたって言われてますけど。

 

そうですね、そこからまぁ日本の盆栽が発達いくわけなんですけど・・・

 

うんうんうん。

 

はい、起源である中国とは日本の盆栽っていうのは180度違う展開を迎えてるんですよね。

 

うん、なるほど。

 

その時に重要なのが、山岳信仰とかそういったところがすごく重要になってくるんですけど、日本ってもともと自然へ敬意っていうか、アミニズムの信仰・・・

 

自然信仰みたいな。

 

はい、巨石・巨木信仰っていうところがあるんですけども~、

まぁそういったところが盆栽

 

神が宿るって言われてますからね。自然にね。

 

はい、そうなんですよね。

なのでそういった要素が盆景の中に加わって、日本の盆栽になっていくっていうような・・・

 

ふ~ん。

 

はい、変遷はあるかとは思います。

 

うんうん・・・。なんだろうな~。

なんで惹かれるんですか?みんな。歴代の人たちはみんな惹かれるじゃないですか。徳川家とか織田信長とか・・・

 

信長・・・はい。

 

もう、盆栽を集めさせたっていう記録も残ってますよね。

 

はい。集めたりとかもしています。

 

その世代の人たちとかが何をみてそれを価値として集めさせたのかとか、

 

もうね、当時のそういう戦国武将とかとかに関して言うと、ま、一番の、人類の夢じゃないですけど不老長寿っていう死と、死が近い時代ですよね、特に。なので、その盆栽の長寿性っていうのにすごく惹かれたんではないかとは思ってるんですけど・・・

 

その当時の残っている盆栽っていうのは今も見れたりするんですか?

 

はい、見れますね~。

 

へ~。

 

東京のほうだと徳川家光が愛した松っていうのは今でも残っていて・・・

 

それどこにあるんですか?

 

一つは皇室の盆栽の中にありまして~・・・

 

それみれるんですか?そういう展覧会があれば見れるん感じですか?

 

あっ、そうですね。展覧会で特別出品というような形で見れるときは見れます。

 

へー、みたい。

 

あとは、東京の都立の園芸高校っていうのがあるんですけど、そちらのほうに二鉢、家光の盆栽が、 

 

あっ、そこにもある?

 

はい、そうですね。園芸部の方がお世話をする。

 

高校生で見れるんですね。

 

そうなんですよね。すごくすごく特別な・・・

 

そっか~、だから何百年っていうことは何百年間もそれこそセンカを誰かが大事にして守ってつないで、お世話をしながら大事にしてきたものたちっていうことになるわけですよね。

 

そうですよね~・・はい。

 

うーん。受け継いでいくっていうのもあるんですね。

 

はい、伝承されて現在も残っているっていうことなので。盆栽って毎日水やりしないといけないので。

 

そっかー

 

いくら、こう、樹齢500年の盆栽って言っても3日もう水やりしなかったら枯れちゃうんで。

 

えー。旅行いけないっすね!

 

そうですね!管理されている方は・・・。

 

大変。あっ、そうなんだー。

それほど価値のあるものとかっていうのは本当に受け継がれて・・・

 

そうですねー、なので樹齢500年っていう風にっていう盆栽になると500年間人の手を欠かさなかったというところが・・・

 

ロマン。

 

もうひとつ重要になってくるわけですよね。

 

 

時計草 / BABI

 

 

埼玉にある、大宮盆栽美術館にはやばい盆栽がたくさんあるっていう・・・

 

(笑)

 

聞いてるんですけど。

 

はい、多くのあのー盆栽の

 

例えばどういうものがあるんですか?

 

そうですね、一番有名なものでいうとヒグラシっていう

 

ヒグラシ・・・

 

その盆栽を見ていると日が暮れてしまうという意味でヒグラシ。

 

あっ、なるほど。

 

時間を忘れてみてしまう。

 

これ、樹齢何年ですか?

 

これはね、樹齢は450年。約450年ですね。

 

戦国時代いけるのかな?ぐらいってことですよね。 

これ見たとき、川崎さんどう思いましたか?

 

この盆栽ね、やっぱりぱっと見ても素敵なんですよ、で、なおかつ盆栽ってね立体作品。どっから見ていいように作ってるんですけど・・・最終的に床の間に飾るので正面を決めるんですよね。なので、その木の一番がよく見える、正面を決めて飾るんですけど、この木に関しては裏もすごい素敵なんですよね。

 

へー!どこみても。

 

裏表見れる銘木として知られていまして。

名器に裏表なしっていうような言葉も、この木から出てきたくらい。

 

へー、すごいっすね。

 

両方。はい、前も後ろ姿も美しいっていうような。

 

素晴らしいっすね。そうありたい。

 

((笑))

 

たたずまいが素敵や

 

たたずまいが。全方位大丈夫っていうのは素晴らしいっすね。なるほど~。他には?

 

コレクションの中に青龍とか千代の松とかたくさんあるんですけど、樹齢が古い木といいますか、ただですね、私、盆栽展で解説ツアーも担当してるんですけど解説ツアーで一番よく聞かれる質問っていうのが「どの木がいい木ですか?」っていう質問が一番多いんですよね。で、もちろん盆栽の展覧会っていうのは賞も出してるので、普遍的な価値観っていうのをあるんですけども、その見方をご紹介した後に必ず言ってることが「どの盆栽がお好みですか?」っていうふうにも返すんですよね。

 

うんうん。

 

盆栽って趣味の世界でもあるので、100人いたら100通り。100人100用の好みの盆栽があるもん、なのでその、多くの中から自分の好みを見つけるっていうこともすごく重要なんですよね。

 

なるほど。自分が何に惹かれて。

 

惹かれているのかっていう、それが明確じゃないと購入してもなかなかうまく育てられないっていう・・・。その、フィーリングであったり愛着であったり・・・、まぁそういったことも考慮して好みの盆栽をみつけるっていうことをご紹介してまして・・・

 

盆栽って、育てるのは難しいんですか?

 

ま、木の種類にもよるんですけど、まず一番でも大切なのは水やりですね。

 

それこそ先ほどおっしゃってた3日に一回とか。

 

あっ、毎日です。基本的には。

 

毎日ですか?3日やらないと枯れちゃうんですね。

 

そうですね。保水というか・・・、人間も毎日水飲まないと苦しいですよね。生き物なので一緒です。ただペットのように・・・

 

いい・・・、いい盆栽の条件って何ですか?

 

揺るがない普遍的な価値観としましては、樹齢が古ければ古いほどいいっていう価値観はあります。長寿性といいますか。でもこれは生きてるもの、人間でも一緒ですけど、ご長寿が喜ばれるように、古い木っていうものが、命の継続があるものというものがまずは重要視されますね。なので、生きてる骨董品とも呼ばれる世界なんですけども。

 

でもまぁ普通に考えるとすごいことですよね。小さな鉢で長く生きさしていくって・・・すごく難しいじゃないですか。

 

はい。

 

しかも美しくずーっと育てていくって・・・、すごい難しいと思っちゃうんですよね。

僕も家に植物いっぱい、あの、いるんですけど。

もう、水やってもなんかこう、手あたり次第伸びて行っちゃうじゃないですかとか

陽のほうに、向かってるほうに伸びて行くし。

 

はい、伸びますよね。

 

美しく育てていくって大変だし、愛情傾けてないとすぐ変わっていくし。

それをずーっとし続けてるって相当な手間と根気と、よく観察してどうしたいかという美的センスもないとなかなか難しいんだろうなっていう風に・・・

 

まぁ、時間と手間と観察力っていうところが結局、はい、重要にはなってくるんですけど、でもそのおっしゃってた美しさをキープするっていうことも造形美だけではなくて、どちらかといえば健康美。長生きさせる目的っていうのが一番にあるので、どちらかといえば健康美っていうのが重要だったりするんですね。

 

へー。健康美なんですね。

 

 

健康美ですね~。木が健康じゃないと長生きできないので、はい。

 

盆栽づくりってそもそもどうやってやるんですか?

 

盆栽をですね、まぁ、仕立てようと思ったときに、だいたい大きく5つくらい方法があるんですけど、まず一番多いのは鉢植えを盆栽に仕立てるっていう方法ですね。で、その次に、えっと、やまどりといって山から樹齢のわりに小さくて盆栽に仕立てやすいようなものを鉢に移して盆栽に仕立てるっていう方法。あと~、究極だといわれているのは実生っていう種から育てる方法と。あとは挿し木とか接ぎ木とかそういった方法で盆栽は一番最初は作っていきますね。

 

えぇ~・・・、大変なんだろうな~。

 

(笑)

 

 GROW TILL TALL / JONSI

 

 

岡田准一がお送りしているJ-WAVE Growing Reed 今日は盆栽研究科の川崎仁美さんをゲストにお迎えしてお送りしております。

 

僕でも、埼玉の盆栽町に行ったことがあるんですよ。で、知り合いがそこで修業してて・・・、

 

修業されてるんですね。

 

はい、行ったことが昔あって。今はどうなってんだろうな。

 

あっ、盆栽町に10年前に大宮盆栽美術館が建ってるんですよ。

 

あっ、なるほど!へ~、そこに僕と同世代くらいの同じくらいの男の子いないっすか?

 

あっ、平尾君かな?

 

平尾君?

 

平尾成志くん。

 

平尾成志!そうそうそう、平尾君、平尾君。

 

加藤さんところの、ね。お弟子さんやね。

 

平尾君元気してますか。

 

うん、元気してはりますよー。ファッションのほうでもすごく、ファッションと盆栽っていうような展開で彼は。

 

あっ、平尾君はちょっと違うんですか。

 

ニュータイプですね。

 

あっ、ニュータイプ盆栽師。

 

そう。

 

へー、あっ、じゃあ盆栽ってのも新しい盆栽と古典盆栽みたいなのが・・・

 

そう。伝承盆栽のほうと

 

うーん。わかれるんすね。

 

一応両方。両方できる人ももちろんいるですけど、なかなかね、そういう方っていうのは一握りなので彼はもう、振り切って若いほう、世界っていう懐で造形的な盆栽を改作盆栽っていう種類の盆栽を・・・

 

盆栽をね、ある意味盆栽を広める、若い人たちにも知ってもらおうっていう形の意識も強い。

 

そう、パフォーマンスとかと合わせて・・・

っていうタイプの作家さんですね。

 

へ~。

 

作家さんやね。うん。

 

そこから、知ってもらうっていうのも、こう、古典の盆栽を知ってもらうっていうのもあるだろうし、なんか、いろんな形で盆栽が広がっているっていうのもね。いい形だと思うんですけども。なんか、枝を切ってしまったら30年やり直しってどういうことですか?

 

まぁでもこれはやっぱし、樹齢が古い木になってくるんですけど、間違って、こう、枝を切ってしまうと、やっぱし欲しかったなと思ってもおんなじところに枝はなかなか思うようには生えてきてはくれないので、なのでまたその枝と同じ太さでまた新たに

 

確かに。

 

枝が更新してそれをまた針金掛けとかでほしいところに動かしたりっていう風になると時間がかかるので、はい、やっぱし剪定する時のすごく判断っていうのがすごく重要になるんですね。

 

そっか~・・・、盆栽な~。やってみたいけどな~・・・。

 

あっ、でもそれはもう、樹齢数年の商品盆栽っていう小さい盆栽からあるんで。

 

どこに置くのが一番なんですか?いや毎日水やるのは苦じゃないんですよ。

 

あと植物ね、今もやってはるんですもんね。

 

植物育てるの好きで。

 

お庭に置いたはるんですか?それとも・・・

 

はい。

 

じゃあお庭に並べたら・・・

 

外に置いてて大丈夫なんですか?普通の・・・

 

外で育てるもんなんですよ~!

 

大雨になったら取り込んだほうがいいとか結構ありますよね?

 

台風くらいかな。

 

それ以外は大丈夫なんすか?

 

台風と雪の時くらいは軒下というか避難させたほうがいいんですけど、基本は雨ざらしざらしです。あんましね~、過保護に育てると木が弱くなっちゃうんで、出来るだけそこの環境に合うような形で強くたくましく育てるほうが木にとってはいいんですよ。

 

川崎さんはどこで勉強したんですか?

 

基本独学ですね~。

 

独学?なんかイギリスやアメリカに留学もしたって・・・

 

ああー、それは日本でまぁ、勉強の仕方としては自分で本を読みながら全国の名人の方に盆栽屋さんを回っていろんなこう、質問をして教えていただくっていう方法で学んでいったんですけど、自分も最初の4年間は40鉢ほどベランダに並べて育ててたので、まぁ愛好家から研究のほうに行くんですけど、そう、アメリカとかイギリスへは園芸留学で行ったんですけど~・・・

 

園芸留学・・・。

 

(笑)いやでも、きっかけとしてはアメリカの財団から奨学金がもらえたので園芸留学をしようと。

 

えー、すごいっすねー。でも世界中の人が盆栽の~、に、習いに来ますよね。

 

そうですね、もう海外で・・・ 

 

海外の人のほうがすごくなんか学びに来るイメージが強いですね。

 

うーん、海外のお弟子さん今多いです。なんか、

 

外国人がね。

 

昔はね、住み込みで5年とかね。入って。最初は水かけ3年って言って、3年間水かけだけっていうところからだんだん木が触れるようになってっていうのが主流やったんですけど、今は短くなったり通いであったりっていう風に変わってきてるんですけど、日本人の修業する人にとってはなかなか修業が辛いていう風にはなってきてるんですけど、海外の盆栽の熱心な愛好家さんにとっては住み込みで勉強させてもらえてなんて幸せなんだっていうことになるんで(笑)

 

うーん。盆栽で一流になるのは何年なんですか?

 

いや・・・、 

 

住み込み・・・、水やり3年っていうのであれば、何年あればわりと盆栽として一人前って言われるようになるんですか?

 

あのね、個人差もあるんですけど~・・・、素敵やなと思う盆栽職人さんにお話聞いた時に5年のその修業期間ではまずはもう基本がわかっただけであって、そっから自分で独立して盆栽園、まぁお家を継ぐなり独立みたいなかたちで、で、自分で盆栽屋さんはじめて、やっと10年でなんとなくわかる・・・、うん、できる、全体のことができるようになったっていう風におっしゃる方もいらっしゃるんですよ。

 

すごいな~。

 

で・・・、先ほどの平尾君の師匠の加藤三郎さんっていう、あのもう、亡くなられましたけど有名な盆栽名人の方に関しては80歳くらいから創作意欲が湧いてきたって言って、創作盆栽を(笑)

 

80?!

 

始められたりとか。そういう、はい、生涯現役の世界でもあるので、本当に40代50代60代でも若手盆栽作家とかっていわれるような世界ですね(笑)

 

なるほどな~。

 

 

TIMELESS / JAMES BLAKE

 

 

川崎さんが、今盆栽と向き合って一番痺れてるとこってどこですか?

 

私・・・、盆栽のこと小さな巨木って表現してるんですけど、なんかこう、小さいけど大きいみたいな一番最初に・・・

 

なるほど、そこがゾクゾクくる?

 

そうですね、小さいけど大きい、でも大きいけど小さいみたいな、で、日によって見え方って変わるんですよね。

 

というと?

 

自分の気持ちが大きいですよね。その~、う~ん。その時考えてることとか、思ってるところで見え方が変わるっていう。要するに、考え方ひとつで見え方って変わるんもんなんだなっていうこと、盆栽を見てると思うんですけど、で、好みって変わりますしね。

 

あー、そうか。

 

やっぱり、勉強したり経験することによって自分が変わっていく変化っていうのをその時にどの盆栽がピンとくるかっていうので自分に返ってくる、フィードバックするというか、自分にとってはその、鏡みたいなところがありますね。

 

自分を映す鏡・・・。うーん。なるほどな。

 

なので・・・、そう~、でね、盆栽が日本に伝わるってね、鎌倉時代とかの禅僧、禅宗のお坊さんの修業の中で禅問答っていうのがありますけど、その中で盆栽使われてたみたいで禅問答の中でお師匠さんとお弟子さんの間に盆栽を置いてこの盆栽、大きいか小さいかっていう風な禅問答してはるんですよ。

 

なるほど。なるほどなー!

 

なんで、そういう使われ方っていうのは今されてないんでね。

 

だから、日本の美っていうのが結構詰まってるっていうことですよね。その、単なる骨董の良さっていうわけでもなく、なんだろう、日本の美しさのとらえ方とはなんなんだっていうことの美への追及が、その生命だったりおっきいのか小さいのかだったり問いかけであったり、バランスであったり、まぁいろんなものを含めて自然信仰であったりいろんなものを含めて、ここに・・・、こう宇宙を求めるというか、世界を求めるっていうものが「形」として表現されているのが盆栽。

 

はい、そう思ってやってますね。

 

っていうことですよね。きっとなんか、言葉にできない美とか美しさみたいなのを形に集約させていくと、こう・・・、日本の導き出した美という世界が盆栽にあると。へー。

 

そう。でも生き物でやってるっていうね。

 

それって世界的には稀なんですかね?ガーデニングともちょっと違うってことですよね。だから、園芸・ガーデニングっていう世界のとらえ方と盆栽っていうものが違うから、世界の人たちが面白いと思って探ったりするっていうことですもんね。

 

そうですね。そこに響いてるんやと思います。

 

うーん。なるほどな~。思想哲学も含めて感じれるんでしょうね。今、そういうのがわかってて作っている作家さんでこの人はもうチェックしたほうがいいですよみたいな人ってのは・・・、 

 

そうですね~・・・。

 

この人はもう・・・、いいっすよっていう。

 

そこがなかなか難しいところでは・・・

 

おっ、難しい。

 

その~、一番最初に、初めてウチが盆栽見たときに、その、依り代だっていうご神木が一鉢に収まっている、日本文化を内包した錬金術のようなものだって思って感激して、盆栽の世界に入って、で、作っている方々にいろいろお話をね、訪ねて回ったんですよ。その中で、なんで盆栽面白いと思うんやっていうふうに聞かれるんで、そのお話をすると、なんかこう皆さん、うーん。みたいな。ちょっとぽかんとされる方もいらっしゃって、で、私質問魔なんでいろいろ聞いていく中で、なんでこうしはるんですかって聞いても、ま、それぞれの解釈もあるんですけど、こうするほうが高く売れるとか、あの~、昔からそうなってるっていう。ある種皆さんお商売でやられてる世界なので形式のほうがちょっと優先されているっていう状況の中で、自分が感じた小さな巨木みたいなのも感性なんだなっていう。なかなかそういった日本文化を内包しているものだみたいな、そういったところで作られている方っていうのは一握り。

 

でも、いらっしゃることはいらっしゃいますか?

 

そうですね。いらっしゃることはいらっしゃいます。

ただそこにやっぱ、お商売ももちろんあるので~・・・、

 

そうっすよね。

 

まあね、両方をやってはる方はいらっしゃるんですけど、まぁ、でも一番って言われてる方は埼玉県にいらっしゃいます。木村さんっていう方なんですけど。

 

木村さん・・・。調べよ。

 

木村正彦さん

 

正彦!プロレスラーじゃないっすよね?

 

ああそう・・・。

(笑)一緒の字書くけど違う(笑)

 

キムラロックの木村政彦さんじゃないですよね?(笑)

 

((笑))

 

木村正彦!

 

正彦さんですね。世界でも有名な方で、神の手と言われている方ですね、盆栽の世界の人に。

 

へー、そうなんすねー。

これは、みんなね、たぶん今リスナーの方もちょっと今【木村正彦 盆栽】って調べてる方も多いと思いますけど、まあ確かにそうっすね。そう、結構大きい作品というか

 

はい、大物の盆栽を。造形的にも、観察力もまず素晴らしい方ですし、造形力も大変優れた方です。

 

ちょっとみて勉強しよ。

 

 

TREE RINGS / GONTITI

 

 

なんかでも、盆栽買って。言われたんです。僕あの~、その~ロケをした時に盆栽これどのぐらい個々人で買えたりするんですか?って言って。買えますよって言われて。へー、って思ったら、買って、あの、預けてもらえればって言われて、あっ、持って帰れないんだ!って思ったんですよね(笑)そりゃ~、その、あの(笑)買えますけど、これはもう大事に後世に残すために預けてもらえればみたいなものもあって。あぁ、まあ、そりゃそうだなっていうふうにも思ったんですけど・・・。これをなんか繋いでいくんだったら、ちゃんとした人が繋いでいくん・・・っていう作品もあるってことですよね。家で見れない。

 

はい。それね、伝承盆栽の世界になるんですよ。

 

あっ、わかれてるんですね。伝承盆栽と。

 

わかれてます。はい、伝承盆栽と趣味の盆栽のほうはわかれてますね、ある種。プロとアマチュアの世界っていうふうに、まぁどこの業界、世界にもあると思うんですけど。で、伝承盆栽のプロっていうのは持ち主の方のオーナー制になるんですよ。で、わかりやすく言うと、競馬の馬と似ていて、馬主さんが気に入った馬を購入されたら調教師さんに預けはりますよね。

 

うちにはいないっす。

 

盆栽も同じく、オーナーさんが購入されたら盆栽の職人さんに預けられるんですよ。

 

はー、おもしろいっすね。

 

でも、展覧会ではオーナーさんの名前で出品されてその盆栽が賞を取ることによって格調を上がっていくっていう。

 

うわ~なるほどな~。

 

で、ちなみにオーナーさんが手放されたり、亡くなられた場合、盆栽だけのオークションがあってそこに出品されて次のご縁のある方が購入をされてっていう形でバトンタッチで継承されていくっていう。なので生きてる骨董品とも呼ばれるんですけど。

 

面白い世界ですよね。知れば知るほど深いんだろうな~。

 

あまり知られてない世界ですよね、どなたも(笑)

 

いや、やりたいんですけどね、40歳からでも遅くないですか?盆栽。

 

遅くないですね。育てる・・・、あっ、まず一番いいのはお近くの盆栽屋さんがあったらねぇ、何かこう困ったときとか、こうどうしたらいいんやって聞きに行けるところがあると一番いいと思うんで、盆栽屋さんで購入していつでも尋ねられるっていうのが一番理想的ではありますよね。

 

預けられるんですか?

 

あっ、預けることもできます。

 

・・・ペットホテルみたいっすね。

 

((笑))

 

へー、旅行行くんでちょっと預けていいですか?とか?

 

はい。ちゃんと盆栽屋さんで購入されてたらそういうことは可能ですよね。

 

確かに、でも盆栽屋さんってみたことないな~。調べてないな~。

 

ね、たぶんそこもひとつハードルになってるんでしょうね。昔はたぶん町に一軒くらい植木屋さんやら盆栽屋さんやらあったとは思うんですけど。

 

なんかおしゃれなところにね、ちょっと盆栽置いてたりとかっていうそのお店とかに販売したりしてたりとかってあるけど、盆栽屋さんって・・・、個人的に調べて行ったことがないな~。ちょっと勇気出して行ってみようかな。

 

あはは(笑)ぜひ(笑)

 

どうですか?盆栽が人生にもたらすもの、教えてくれることっていうとなんだと思っていますか?

 

まあ、小さな巨木っていうところからすごく自分に気づきがまずはあるっていうことと、こう、日ごろいろいろなことを考えてて、コロナもいつ終わるかなぁとか、こう・・・思ってる中で、はっと盆栽に、を、みたときに盆栽って自分たちよりも先輩ですし、自分が死んでもまだまだ長生きしますから、まぁそう考えると盆栽にとったら人との関わりなんて一瞬なんですよね。なんかそういう、ミクロとマクロの目線じゃないですけど、すごくこう一瞬解放される、そういうふうに考えると気楽になれるというか、救われたりもしますね・・・。

 

 

FLOWERS / WONK

 

 

岡田准一がお送りしているJ-WAVE Growing Reed

今夜は盆栽研究科の川崎仁美さんにお話をお伺いしてきました。ということで、なんか盆栽を作っている方たちにもお会いしたことあるんですけども、やっぱ、どのぐらいの愛情こめて、なんかそこに美意識を求めて・・・うん、すごい厳しい世界で。インタビューとかもしたことあるんですけど、なんか日本の美っていうのをどういう風にとらえようとしているのかっていうのも、なんかお話も聞いたことがあってすごい面白いと思っていて・・・うん・・・やっぱりちょっと自分もな~、始めようかな。すぐ枯らしちゃうかな~?こわいな~(笑)

ね、手ごろなのから始めるのが一番ですよね。きっと背伸びせずやれそうな盆栽からちょっとスタートしていって、まあ育てていって自分がいなくなったあとも残せるものみたいなのをね、育てたりとか、自分が生きる前からずっとあるものみたいなのもね、すごく育てるのもいいのかなとも思うし。庭に植えるんじゃなくてなんかそう鉢でね、その世界を作るっていうのもね、なんかこう勉強していったら相当面白いんだろうなっていうのをすごく感じていますね。是非皆さんも盆栽、手に取ってみてください。